平成20年度の贈呈式および各賞の概要


 平成20年6月12日(木)、財団合同役員会の後、正午から約400人の出席のもと 「第24回大平正芳記念賞」「第22回環太平洋学術研究助成費」の贈呈式が、東京・丸の内の日本工業倶楽部会館3階大ホール・中ホールで開かれました。

受賞者の皆さんと大平裕理事長(前列中央)

大平 裕理事長の挨拶
(以上、撮影:久保田富弘)



[大平正芳記念賞]
正賞……楯  副賞……100万円 (特別賞・・・50万円)
選 定 基 準
(1)授賞対象は、「環太平洋連帯構想」の発展に貢献する政治・経済・文化・科学技術 に関する優れた著書・共著・編著としますが、環太平洋地域についての地域研究も含むものとします。
(2)授賞対象は、個人の著書に最優先順位を置き、ついで、共著、編著の順とします。
(3)授賞対象は、原則として受賞時から数えて2年以内に刊行されたものとします。
(4)授賞対象は、原則として他の賞を受賞していないものとします。
(5)特別賞は文献的、百科事典的、啓蒙的著作などの環太平洋構想の普及に貢献した作品に与えるものとします。
(6)授賞対象は5~6点とし、その半数は外国人の著作であることを望みます。
(7)受賞者は、原則として50歳未満とします。
募集等について
当財団が、依頼する機関及び推薦者の推薦を原則とする募集先限定ですが、第三者の推薦も可とします。 なお、自由応募の場合には、著書を当財団宛てに送付のこと。 募集時期は毎年9月初めから、11月末までとし、当財団の選考委員会が3月頃に決定し、 受賞者に通知します。落選者には通知せず、応募著書も返却しません。

 



[環太平洋学術研究助成費]
共同研究……500万円以内  個人研究……200万円以内
選 定 基 準
(1)助成対象は「環太平洋連帯構想」を発展させるのに相応しい政治・経済・文化・科学技術 に関する共同研究および個人研究としますが、環太平洋地域についての地域研究も含むものとします。
(2)助成対象研究は、長くても2年間で完結するものとし、研究終了に当たっては、 研究成果を何らかの形で財団に報告するものとします。
(3)助成対象は共同研究1~2点、個人研究3~4点とし、その半数は外国人の研究であることを 望みます。
(4)受賞者は、原則として50歳未満とします。
募集等について
 当財団関係者の推薦を原則としますが、自由応募も可とします。募集時期は毎年9月初めから 11月末 までとし、当財団の選考委員会が3月頃に決定し、受賞者に通知します。落選者には通知せず、応募書類も 返却しません。 なお、応募希望者は当財団宛てに連絡すれば、折り返し「研究助成出願書」を郵送いたします。

 



第24回大平正芳記念賞受賞作及び受賞者名

<正賞・・・楯 副賞・・・100万円(特別賞50万円)>

アジアにおける工場労働力の形成
  ―労務管理と職務意識の変容

(日本経済評論社 2007年)
大野 明彦(おおの・あきひこ)(青山学院大学国際政治経済学部教授)

略歴
1953年山口市生まれ。1977年山口大学経済学部卒業、1984年一橋大学経済学研究科終了。経済学博士(一橋大学)。成蹊大学・大阪市立大学助教授を経て、1999年より青山学院大学国際政治経済学部教授。1980-81年、文部省留学生としてDelhi School of Economics. 主要論文、Market Integrators for Rural-based Industrialization: The Case of the Hand-Weaving Industry in Laos (2001) and Rural Clustering at Incipient Stages of Economic Development: Hand-weaving Clusters in Laos’ forthcoming など。

 


"Japan's Dual Civil Society
  - Members Without Advocates
"
(Stanford University Press 2006年)

Robert Pekkanen(ロバート・ペッカネン)
(ワシントン大学日本研究学科長准教授


略歴
現在ワシントン大学ジャクソン国際研究スクール日本研究学科長、准教授。過去に東京大学と慶応大学で客員研究員、筑波大学で客員教授を務める。2002年、ハーバード大学大学院政治学科においてPh.D.(政治学)を取得。『The American Political Science Review』、『 The British Journal of Political Science』、『 The Journal of Japanese Studies』などの学術誌において論文を発表している。著書の『Japan's Dual Civil Society: Members without Advocates』は、第24回大平正芳記念賞と日本NPO学会賞を受賞し、『The Japan Times』紙の「the Best Asia Books of 2006」に選ばれた。佐々田博教の翻訳による同書の日本語版、『日本における市民社会の二重構造:政策提言なきメンバー達』は、木鐸社から20082月末に出版された。

 



歴史経験としてのアメリカ帝国―米比関係史の群像
(岩波書店 2007
年)
中野 聡(なかの・さとし)(一橋大学大学院社会学研究科教授

略歴
東京都出身。1983年一橋大学法学部卒業。1985年一橋大学社会学修士、1995年一橋大学社会学博士。1990年より神戸大学専任講師、助教授を経て、1999年より一橋大学社会学部・大学院社会学研究科助教授、2003年より教授。フィリピン大学客員研究員(1994−95年)、コロンビア大学客員研究員・安倍フェロー(2005年−06年)。専門はアジア・太平洋国際関係史。著書『フィリピン独立問題史』(龍渓書舎、1997年、アメリカ学会清水博賞)。

『現代中国の外交(慶應義塾大学出版 2007年)
青山 瑠妙あおやま・るみ早稲田大学教育・総合科学学術院教授

略歴
1999年、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。法学博士。2005年~2006年、スタンフォード大学客員研究員。現在早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は現代中国外交。近著には、Chinese Diplomacy in the Multimedia Age,” in Kazuko Mori & Kenichiro Hirano eds., A New East Asia: Toward a Regional Community (Singapore: National University of Singapore, 2007); 『中国の外交――自己認識と課題』(共著、山川出版社、2007)、『東アジア共同体の構築1 新たな地域形成』(共著、岩波書店、2007)など。

シティズンシップと多文化国家
  -オーストラリアから読み解く

(日本経済評論社 
2007年)
飯笹 佐代子(いいざさ・さよこ)
財団法人 総合研究開発機構リサーチフェロー

略歴
福岡県生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業、豪ニュー・サウス・ウェールズ大学大学院政治学科修了、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。1983年総合研究開発機構に入構後、ケベック州政府文化間関係評議会(モントリオール)、ニュー・サウス・ウェールズ大学アジア・オーストラリア研究所(シドニー)等での客員フェローを経て、200711月より現職。専門は、シティズンシップ政策、多文化政策、文化都市政策など。主な著作として、『価値を創る都市へ』(共著、NTT出版、2008年)、『多文化社会の選択』(共著、日本経済評論社、2001年)など。

海域世界の民族誌-フィリピン島嶼部における移動・生業・アイデンティティ(世界思想社 2007年)
関 恒樹(せき・こうき)広島大学大学院国際協力研究科助教

略歴
1968年東京都生まれ。1991年立教大学文学部卒業。1996年フィリピン大学大学院アジア・センター修士課程修了。2004年立教大学大学院文学研究科より博士号(文学)取得。日本学術振興会特別研究員(2002-2003)、アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所客員研究員(1998-2002)、広島大学大学院国際協力研究科助手(2002-2006)を経て、2007年より同研究科助教。専攻は文化人類学、東南アジア地域研究。

 


第22回環太平洋学術研究助成費
受賞研究テーマおよび受賞者名
 

<個人研究(100万円)(  )は助成金額>


アジア太平洋諸国経済の相互依存関係への新貿易指数アプローチ
熊倉 正修(くまくら・まさなが)大阪市立大学大学院経済学研究科准教授

略歴
1990年東京大学文学部卒。1993年アジア経済研究所開発スクール修了。1994年ロンドン大学東洋アフリカ学院修士課程修了。1994-1996年アジア経済研究所勤務。1997年ケンブリッジ大学政治経済学部修士課程修了。2002年同博士課程修了。2002年大阪市立大学大学院経済学研究科専任講師、2004年同助教授、2007年同准教授(現在に至る)。2005-2006年日本貿易振興機構アジア経済研究所客員研究員。専攻は国際貿易論、国際金融論、東アジア諸国の金融通貨政策。