平成21年6月12日(金)、財団合同役員会の後、正午から約350人の出席のもと 「第25回大平正芳記念賞」「第23回環太平洋学術研究助成費」の贈呈式が、東京・丸の内の日本工業倶楽部会館3階大ホール・中ホールで開かれました。

受賞者の皆さんと大平裕理事長(前列中央)

国正武重氏の挨拶
(以上、撮影:久保田富弘)



[大平正芳記念賞]
正賞……楯  副賞……100万円 (特別賞・・・50万円)
選 定 基 準
(1)授賞対象は、「環太平洋連帯構想」の発展に貢献する政治・経済・文化・科学技術 に関する優れた著書・共著・編著としますが、環太平洋地域についての地域研究も含むものとします。
(2)授賞対象は、個人の著書に最優先順位を置き、ついで、共著、編著の順とします。
(3)授賞対象は、原則として受賞時から数えて2年以内に刊行されたものとします。
(4)授賞対象は、原則として他の賞を受賞していないものとします。
(5)特別賞は文献的、百科事典的、啓蒙的著作などの環太平洋構想の普及に貢献した作品に与えるものとします。
(6)授賞対象は5~6点とし、その半数は外国人の著作であることを望みます。
(7)受賞者は、原則として50歳未満とします。
募集等について
当財団が、依頼する機関及び推薦者の推薦を原則とする募集先限定ですが、第三者の推薦も可とします。 なお、自由応募の場合には、著書を当財団宛てに送付のこと。 募集時期は毎年8月初めから、10月末までとし、当財団の選考委員会が3月頃に決定し、 受賞者に通知します。落選者には通知せず、応募著書も返却しません。

 



[環太平洋学術研究助成費]
共同研究……500万円以内  個人研究……200万円以内
選 定 基 準
(1)助成対象は「環太平洋連帯構想」を発展させるのに相応しい政治・経済・文化・科学技術 に関する共同研究および個人研究としますが、環太平洋地域についての地域研究も含むものとします。
(2)助成対象研究は、長くても2年間で完結するものとし、研究終了に当たっては、 研究成果を何らかの形で財団に報告するものとします。
(3)助成対象は共同研究1~2点、個人研究3~4点とし、その半数は外国人の研究であることを 望みます。
(4)受賞者は、原則として50歳未満とします。
募集等について
 当財団関係者の推薦を原則としますが、自由応募も可とします。募集時期は毎年8月初めから10月末 までとし、当財団の選考委員会が3月頃に決定し、受賞者に通知します。落選者には通知せず、応募書類も 返却しません。 なお、応募希望者は当財団宛てに連絡すれば、折り返し「研究助成出願書」を郵送いたします。

 



第25回大平正芳記念賞受賞作及び受賞者名

<正賞・・・楯 副賞・・・100万円(特別賞50万円)>

帝国日本の植民地法制―法域統合と帝国秩序』
(名古屋大学出版会 2008年)
浅野 豊美(あさの・とよみ) (中京大学国際教養学部 教授)

略歴
1983年4月東京大学入学1988年同大学院総合文化研究科入学国際関係論専攻
1994年2月ハーバード大学ライシャワー研究所フェロー(~1995年2月)
1998年3月東大大学院総合文化研究科博士課程満了(2009年2月学位取得)
1995年7月財団法人交流協会 日台交流センター嘱託(~1996年6月)
1998年4月早稲田大学アジア太平洋研究センター助手(~2000年3月)
2000年4月中京大学教養部助教授を経て、同大学国際教養学部現職。
『国境を越える歴史認識―日中対話の試み』 東京大学出版会 (2006/5共著)
『岩波講座「帝国」日本の学知 第一巻 帝国編成の系譜』 岩波書店 (2006/2共著)
『植民地帝国日本の法的展開』 信山社 (2004/7共編著)

 


『文化大革命の記憶と忘却-回想録の出版にみる記憶の個人化と共同化』(新曜社 2008年)
福岡 愛子(ふくおか・あいこ)(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程

略歴
1950年新潟県生まれ。1972年新潟大学人文学部卒業(英米文学専攻)。1974年から1年間、交換学生として米国留学。1975年帰国後翻訳・会議通訳に従事。2000年東京大学文学部社会学科学士入学、2003年卒業。2005年東京大学大学院人文社会系研究科専修課程入学。2007年同博士課程進級。論文に「日本にとっての『文革』体験」(『戦後日本スタディーズ2』紀伊国屋書店、2009年)、“The Cultural Revolution in Mainland China: How It Is Remembered and What Was Forgotten”(『次世代アジア論集』No.2早稲田大学アジア研究機構、2009年3月)。

 



Welfare and Capitalism in Postwar Japan
(
Cambridge University Press 2008年)
Margarita Estévez-Abe(マルガリータ・エステベス・アベ)
(シラキューズ大学マックスウェル大学院政治学准教授

略歴
政治学博士(ハーバード大学)。慶応義塾大学総合政策学部助手、ミネソタ州立大学政治学部助教授、ハーバード大学政治学部准教授を経て、現職。ドイツのコンスタンツ大学客員教授、ドイツ・ハンザ先端研究所、米ラッドクリフ先端研究所などで客員を務める。専門は、比較政治経済学。特に、女性の就業行動の先進国比較と日本の政治経済を中心。現在、Gender、Inequality and Capitalism 『ジェンダー、不平等と資本主義』という本を執筆中。近著として、受賞作とは別途に、“Japan’s New Extrovert Leaders: How Institutions Change Incentives and Capabilities,”Harvard Weatherhead Center of International Affairs Working Paper #3557 (2008), 共著, “How Policies Affect Women’s Economic Position within the Family: Labor Market Institutions and Wives’ Contribution to Household Income,” Luxembourg Income Study Working Paper (2008)、共著、『オバマのアメリカ経済入門』、共著(毎日新聞社、2009)など。 『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)に定期的にアメリカ政治経済について寄稿している。

現代中国の中央・地方関係―広東省における地方分権と省指導者(慶應義塾大学出版 2007年)
磯部 靖いそべ・やすし慶應義塾大学法学部准教授

略歴
1998年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。法学博士。
日本国際問題研究所アジア太平洋研究センター研究員、長崎外国語大学外国語学部准教授などを経て、現在、慶應義塾大学法学部准教授
専門は現代中国政治。
主な著作として、『中国の統治能力-政治・経済・外交の相互連関分析』(共著、慶應義塾大学出版会、2006年)、『中国政治と東アジア』(共著、慶應義塾大学出版会、2004年)、『中国文化大革命再論』(共著、慶應義塾大学出版会、2003年)、『グローバル化時代の中国』(共著、日本国際問題研究所、2002年)、『深層の中国社会-農村と地方の構造的変動』(共著、勁草書房、2000年)など。


カンボジア農村の貧困と格差拡大(昭和堂 2008年)
矢倉 研二郎(やぐら・けんじろう)阪南大学経済学部准教授

略歴
1971年福岡県生まれ。1995年東京農工大学農学部卒業、2000年京都大学大学院農学研究科修士課程修了。現地調査のためカンボジアに2年あまり滞在後,2005年京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(農学)。名古屋大学大学院国際開発研究科特任講師(2006年)を経て、2007年4月より阪南大学経済学部で教鞭をとる。専攻は農業経済学、開発経済学で、カンボジアの農村経済や労働移動について研究を行っている。


『アジア地域主義外交の行方:1952-1966』(木鐸社 2008年)
保城 広至(ほしろ・ひろゆき)
日本学術振興会特別研究員 コーネル大学客員研究員

略歴
1975年生まれ。1999年筑波大学第一学群社会学類卒業、2005年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程中途退学(2007年博士号取得)。東京大学東洋文化研究所助教(2005-2008),オーストラリア国立大学客員研究員(2007-2008)を経て現職。
論文に「『対米協調』/『対米自主』外交論再考」『レヴァイアサン』第40号、2007年、”Co-Prosperity Sphere Again?; United States Foreign Policy and Japan’s ‘First’ Regionalism in the 1950s,” Pacific Affairs, Fall, 2009(Vol.82, No.3)など。

特別賞

"East Asian Regionalism" (Routledge 2008年)
Christopher M. Dent(クリストファー・M・デント)
リーズ大学東アジア学部教授

略歴
英国国立リーズ大学東アジア学部所属 教授。専門は東アジアにおける国際政治経済学。
東アジアおよびアジア太平洋地域における国際政治学を研究の中心に捉え、研究業績としてはEast Asian Regionalism (Routledge, 2008)、China, Japan and Regional Leadership in East Asia (editor, Edward Elgar, 2008)、など主な著書9冊に加え、学術専門誌等への掲載研究論文は50を超えている。また、研究の傍ら、アドバイザーとして、英国、オーストラリア、チリ、米国の政府機関および欧州委員会に対して貿易等に関する助言を行うとともに、招聘講師として、アジア、欧州、北米、南米、アフリカ、中東、オセアニア各国地域で行われた学会その他で講演を行っている。さらに、Evian Group の専門家会員としても知られている。

『中国 静かなる革命―官製資本主義の終焉と民主化へのグランドビジョン』(日本経済新聞出版社 2008年)
呉 軍華 (う・じゅんふぁ)
日本総合研究所理事 日綜投資諮詢有限公司会長・首席研究員

略歴
1983年7月 中国復旦大学卒
1985年4月~90年3月 東京大学大学院修士・博士課程修了
1990年4月 ㈱日本総合研究所入社(日本総研)
1995年8月~05年1月 日本総研香港駐在首席研究員
2000年9月~02年8月 ハーバード大学客員研究員
2001年9月~03年9月 米AEI (American Enterprise Institute for Public Policy Research) リサーチフェロー
2002年8月~03年9月:ジョージワシントン大学客員研究員
2006年4月~07年6月 日綜(上海)投資諮詢有限公司社長、首席研究員
2006年6月~現在 日本総研理事
2007年7月~現在 日綜(上海)投資諮詢有限公司会長、首席研究員


 


第23回環太平洋学術研究助成費
受賞研究テーマおよび受賞者名
 

<個人研究(各100万円)(  )は助成金額>

東アジアにおける日本人コミュニティの変容に関する研究
  -台湾・上海・香港を事例として

金戸 幸子(かねと・さちこ)
京都大学大学院文学研究科グローバルCOE研究員

略歴
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、2004 年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程修了、2008 年同博士課程単位取得。専門社会調査士。2006 年~2007 年台湾・中央研究院民族学研究所訪問研究員、2007年~2008 年英国・ブリストル大学東アジア研究所協力研究員、2008 年より東京外国語大学多言語・多文化教育研究センターフェロー、2009 年より京都大学グローバルOCE プログラム「親密圏と公共圏の再編をめざすアジア拠点」研究員。専門は国際社会学、比較社会学、台湾と沖縄を中心とする東アジア研究。近著に「現代台湾における多文化社会の展開と〈新移民〉問題」(日中社会学叢書第2 巻『チャイニーズネスとトランスナショナル・アイデンティティ』共著、明石書店、2009 年)、ほか多数の論文がある。

「沖縄と太平洋の島々を結ぶ文学研究ネットワークの構築」
本浜 秀彦(もとはま・ひでひこ)
沖縄キリスト教学院大学人文学部英語コミュニケーション学科准教授

略歴
1962年、那覇市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。新聞記者などを経て、米ペンシルバニア大学大学院アジア・中東学部修士課程、同博士課程で学び、Ph.D.を取得。専門は比較文学、メディア表象論。主な著書にWriting at the Edge(UMI)、共著に『沖縄文学選―日本文学のエッジからの問い』(勉誠出版)、論文に「国家イベントにおける『海』の表象と視覚の政治学」、「オキナワ文学における『太平洋』イメージ」、「手塚治虫のオキナワ表象」などがあり、太平洋文学から映画、マンガまで幅広く論じる。

共同研究(各100万円)


















"Is the Chinese Currency Overvalued or Undervalued? -An Empirical Assessment of the Renminbi Equilibrium Exchange Rate and China's Foreign Exchange Rate Policy"
研究者代表: Zhaoyong Zhang(ジャオヨン・ジャン)
(エディス・コーワン大学准教授)

略歴
1991年ルーヴァン・カトリック大学 (ベルギー) においてPh.D. (経済学) を取得。シンガポール国立大学准教授、名古屋商科大学教授を経て、現在、豪エディス・コーワン大学准教授。過去に横浜国立大学、韓国対外経済政策研究院 (KIEP)、(財) 国際東アジア研究センター、南オーストラリア大学、西オーストラリア大学、マカオ大学の客員(准)教授・フェローを歴任。専門は国際貿易、国際金融。東アジア金融危機、東アジア経済通貨統合、中国の為替政策の分野で、Applied Economics, Journal of International Development, the World Development, Japan and the World Economy, Journal of Economic Development, Journal of Economic Integration, Mathematics and Computers in Simulation, Open Economies Review, Asian Economic Journal 等の査読付き国際学術雑誌に数多くの研究論文を発表している。また、国際的に評価の高い2つの査読付学術雑誌、Papers in Regional Science (2003年7月号) とThe World Economy (2006年12月号) のGuest Editorを務め、アジア太平洋における地域経済統合および東アジア経済通貨統合に関する特集号の編集を行った。

共同研究者:佐藤清隆(さとう・きよたか)(横浜国立大学准教授)

略歴
1991年横浜国立大学経済学部卒業。2001年東京大学大学院経済学研究科より経済学博士号取得。1998-2002年 (財)国際東アジア研究センター研究員を経て、2002年9月より横浜国立大学経済学部助教授、2007年同准教授(現在に至る)。2006年9月よりAsian Economic Journal 編集委員。専門は国際通貨・金融。東アジア通貨統合、輸出企業の価格設定行動、為替レートのパススルーを研究テーマとし、Journal of Money, Credit and Banking, Applied Economics, International Journal of Finance and Economics, Open Economies Review, The World Economy等の英文の査読付き国際学術雑誌に論文を発表。

「中日教育文化交流に於ける中国赴日本国留学生予備学校の役割と可能性」
代表研究者馬 軍(ま・ぐん)
東北師範大学中国赴日本国留学生予備学校副教授

略歴
1990年8月~現在:東北師範大学中国赴日留学生予備学校 助教授
1996年~1997年: 東京外国語大学研究留学 訪問学者
・「直接法導入後の練習について‐いかに導入のもとでよく練習時間を利用するか‐」
『中国赴日留学生予備学校 日本語教育論集』第2号1996年4月
・「太宰治と無頼派文学(太宰治与无赖派文学)」『外国文学研究』第12期2002年
・「大衆社会と戦後日本の推理小説(大众社会与战后日本的推理小说)」
『日本学論壇』第1期2001年
・「『中級日本語』書評(『中級日本語』评介)」『外国語言文化教学研究文集』2007年

共同研究者

出版助成(各100万円)

アジアの域内金融協力―金融「地産地消」モデルの模索
清水 聡(しみず・さとし)(日本総合研究所主任研究員)

略歴
1959年東京都生まれ。1982年東京大学経済学部卒業。1999年法政大学経済学修士。2006年法政大学大学院社会科学研究科修了、経済学博士。1982年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社、1998年(株)さくら総合研究所入社、2001年より現職。専門はアジア金融、国際金融、アジア経済。主な著書・論文に、『社債市場の育成と発展』(共著、法政大学出版局、2007年)、「人民元の均衡実質為替レートの推計」(アジア経済研究所『アジア経済』、2006年11月)などがある。

「通貨金融危機の歴史的起源―韓国、タイ、メキシコにおける金融システムの経路依存性」
岡部 恭宜(おかべ・やすのぶ)東京大学社会科学研究所助教

略歴
京都市生まれ。1989年、同志社大学法学部卒業。1988-1998年、外務省勤務(在スペイン大使館、在パナマ大使館、本省中南米局、経済協力局)。2006年9月-2007年3月、メキシコ・経済研究教育センター(CIDE)国際学部およびタイ・チュラロンコン大学経済学部にて客員研究員。2008年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。2008年より東京大学社会科学研究所、助教。専門は比較政治学、国際政治学。